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コーヒ豆の産地(3) アジア編

2025年11月7日

1.コーヒーベルト(再)

コーヒーの産地は赤道を挟んで南北25度の緯度の範囲に集中しています。この地域は、気候や土壌がコーヒの栽培に適しており、この産地帯を『コーヒーベルト』あるいは『コーヒーゾーン』と呼びます。
コーヒーの主要な生産国として有名なブラジル エチオピア インドネシアなど、すべてほぼ全国土がこのコーヒーベルトの中にすっぽりと納まっています。

今回紹介するアジアは、コーヒーノキの伝播の中で非常に重要な役割を果たしました。エチオピアで誕生したアラビカ種のコーヒーノキは、紅海を渡りアラビア半島・イエメンへ。イエメンを起点にインド経由でインドネシアへと伝わりティピカ種に。東インド会社を経営するオランダを経由しアムステルダム市長からルイ14世に寄贈されフランス領レ・ユニオン島(ブルボン島)へと渡りブルボン種が誕生しました。ブルボン種は19世紀半ばフランス人宣教師の手でアフリカ各地に広められます。一方、ティピカ種は18世紀前半フランスから植民地の南米ギニア・カリブ海マルチニーク島へと伝わりそれぞれ南米、カリブ諸島・中米へと広がります。また、レユニオン島のブルボン種は19世紀半ば、ブラジルへと持ち込まれ南米各地へと広がります。
このように、イエメン=オスマン帝国の一部やインドネシア=オランダ領東インド会社などアジア諸国が世界にコーヒーを広げる起点となりました。

2.各大陸ごとの主な産出国(続き)

(1)アメリカ大陸

コーヒーの産地(1)アメリカ大陸編

(2)アフリカ

コーヒーの産地(2)アフリカ編

(3)アジア

ベトナム

ベトナムは、ブラジルに次ぐ世界第2位のコーヒー生産国です。年間生産量196.7万トン(2023年)を誇り、2020年2022年にはベトナムからの輸入量は10万トンを超え1位のブラジルに肉薄するほど、わが国にとって重要なコーヒー生産国となっています。また、ベトナムはカネフォラ種(ロブスタ種)の生産国としては世界第1位です。ベトナムでのコーヒー生産は1857年フランス人によって持ち込まれ、プランテーション栽培がおこなわれました。しかし、1890年代からのさび病の蔓延により1910頃からは栽培品種をアラビカ種からロブスタ種へと徐々に転換し、途中ベトナム戦争で栽培の拡大は中断するも1980年には政府主導でコーヒー栽培が推奨され、さらに1986年に始まるドイモイ政策に後押しされながら栽培が拡大、1990年代には莫大な数の企業が創設され2000年頃には世界第2位の生産量となりました。あまり品質が高くないとされるロブスタ種が80%と主力であるものの、近年ではアラビカ種の生産も復活しつつあり、またファインロブスタと呼ばれる上質のロブスタ種の栽培に力を入れる農園も増えつつあります。我が国へ銘柄豆の輸入はダラットなどラムドン省を含む中部高原地帯からのものが多いようです。

インドネシア

インドネシアは、生産量76.0万トン(2023年)とベトナムに次いで世界第3位のコーヒー生産国です。近年の日本での輸入順位は4から6位で、2023年24年とも1.6万トンとロブスタ種の生産割合が高いためか輸入量はそれほど多くありません。しかし、特定銘柄に指定されている産地・品種が多く、マンデリン(北スマトラ・アチェ両州のアラビカコーヒー)トラジャ(スウェラシ島トラジャ地区のアラビカコーヒー)カロシ(スウェラシ島カロシ地区のアラビカコーヒー)ガヨマウンテン(スマトラ島タケンゴン周辺のガヨマウンテン地区のアラビカコーヒー)が指定されています。特に、マンデリンは苦みとアーシーな香りが特徴的でファンの多い銘柄です。他にも、バリ島のアラビカ種やジャワ島のウォッシュドロブスタ種などが高品質で有名です。
イエメンからインドを経由してインドネシアで栽培されるようになったコーヒーノキ(ティピカ種)は、ヨーロッパの宗主国オランダへと運ばれ、フランスからカリブ海諸国、南米へと広がりました。

当店で購入可能なインドネシア銘柄
13: インドネシア マンデリン アチェ・アルールバダ スマトラ式 生豆時200g
14: インドネシア マンデリン トバコ スマトラ式 生豆時200g
28: インドネシア マンデリン リントン ブルーバタック 生豆時200g
35: インドネシア ジャバロブスタ WIB-1 生豆時200g
25:インドネシア バリ神山 カフェインレス 生豆時200g
11: インドネシア バリ神山 ウォッシュド 生豆時200g(販売休止中)
12: インドネシア バリ神山 ナチュラル 生豆時200g(販売休止中)

インド

インドはコーヒー伝播の第一の起点となったイエメンから初めてコーヒーの伝わった地域です。1670年、ババ・ブダンという巡礼者が、メッカからの帰路イエメンに立ち寄り7粒のコーヒー豆を持ち帰ったと伝えられています。コーヒーの生産高は33.2万トン(2023年)と世界第9位ですが、日本への輸入量は300トン前後と決して多くはありません。標高が低いことや気候がロブスタ種の生産に見いており70%がロブスタ種で占められています。また、手入れがほかのどの国よりも行き届いており雑味の少ない最高級のロブスタ種を生産しているため、エスプレッソの本場ヨーロッパでの需要が大きいのが我が国への輸入が少ない要因でもあるようです。

インド産のアラビカ種でよく知られる精製方法にモンスーン処理と呼ばれる処理があり、この製法で作られた銘柄にモンスーン・マラバールがあります。モンスーン処理とは、英国植民地時代に偶然発見された精製方法で、喜望峰経由で長い時間をかけてインドからヨーロッパへ運ぶ途中、船倉に積まれたコーヒー豆が湿気にさらされ黄金色に変わりコーヒーが変質したように見えたものが、実際に飲んでみると独特の香りとまろやかなコク抑えられた酸味が人気となりました。

その後、輸送方法は改善されましたがこの独特のコーヒーへの需要が根強かったため、西海岸沿いのファクトリーで同じ過程が再現され、モンスーン処理となりました。「初めに生豆を4~5日間しっかり乾燥させ、その後、数日間にわたり豆が水分を均一に吸い込むように用心深くかき混ぜます。その後、6月~8月に発生するモンスーンに生豆を晒すことで豆が水分を吸収し膨張します。その豆を袋詰めし、積み重ねることで豆が白く膨張します。この工程(乾燥・かき混ぜ・袋詰め)を3何度も繰り返すことで、コーヒー豆が黄金色に変わります。」(コーヒー流通センター”インドモンスーン マラバール”商品説明より)インド独特の精製方法として、知られています。

ラオス

ラオスのコーヒー生産量は、17.8万トンと世界14位、アジア4位です(2023年)。日本への輸入順位は、9~11位となっています。1915年頃、南部のボーラウェン高原にフランス人が苗木を持ち込み栽培が始まりました。その後さび病で壊滅的打撃を受けカネフォラ種へと植えかえられたものの、戦禍が重なり産業として育ちませんでした。1990年代後半になりようやくInternational Coffee Organizationの統計に表れるようになります。ボーラウェンでのティピカ種などが栽培されていますが、全体としてあまり多くは出回っておらずブレンド用として利用されるものが多いと推測いたします。

中国

中国は生産国であると同時に消費国でもあり、中国の消費急増がコーヒー価格の高騰の原因の一つともいわれています。中国のコーヒー生産高は10.8万トン(2023年)と世界16位で日本での輸入順位は2020年に16位となったもののその後は25位以下となっています。コーヒー生産の伸び以上に国内消費が伸びているものと推測されます。
中国のコーヒー生産のほとんどはベトナムと隣接する雲南省で行われており、主にカティモールが栽培されていますが、少量のティピカやブルボンの生産もあります。中国での栽培はベトナムから伝わったとされており、カティモールが主要な品種なのもそのためです。なかでもプーアル茶で有名なプーアル地区の天空農園は、嫌気性と好気性のダブルファーメンテーションによりいち早く日本での知名度アップに成功しています。

当店で購入可能な中国銘柄
27: 中国 雲南 天空農園 プーアールピーチ Wファーメンテーション 生豆時200g

パプアニューギニア

パプアニューギニアのコーヒーの始まりは1890年代と意外と早いですが、商品作物としては扱われてはきませんでした。パプアニューギニアで本格的なコーヒー栽培が開始されるのは、1926年ジャマイカら移植されたブルーマウンテン種(ジャマイカ産ティピカ種)を栽培する18の農園が設立されてからです。ニューギニアの西半分を構成するインドネシアと似たようなコーヒーと思われがちですが、品種・精製とも全く違っておりパプアニューギニアでは高品質なコーヒー豆が生産されています。マウントハーゲンを中心とする西高地州とゴロカを中心とする東高知州が上質なコーヒー豆を生産するエリアです。品種はブルボン、ティピカ、アルーシャが栽培されており、有数の高品質な豆の産地との評価をされてきました。生産量は、4,5万トンと世界24位で、近年の日本での輸入順位は14~17です。

当店で購入可能なパプアニューギニア銘柄
29: パプアニューギニア シグリ農園 ティピカ他 生豆時200g

イエメン

エチオピアを出発したコーヒーノキが初めて商用栽培された国がイエメンです。貿易や巡礼者によって7世紀頃エチオピアから持ち込まれたコーヒーは、15~16世紀にはイエメンに根付いたと思われます。この頃のイエメン産のコーヒーが輸出された港がモカ港(現在は廃港)で、17世紀にはエチオピアハラーのコーヒーもモカ港を通じて輸出さてていた模様で、イエメン産・エチオピア産のコーヒーを「モカ」と呼ぶのはこれに由来します。コーヒールンバで有名なモカ・マタリは、首都サヌア西方30㎞のバニマタル産のコーヒーのことを指します。バニマタルの他にハラーズやバニイスマイリなどが地区名や村名の銘柄として竜しています。イエメンのコーヒー生産高は3.0万トン(2023年)第26位です。日本への輸入は2024年に23位で、年によって違いますが20数位あたりとなっています。イエメンのコーヒーは屋根の上で天日干しされるのが伝統的な精製方法で、そのため、品質にばらつきがあります。また、政情不安などの理由で年単位で港に留め置かれることもあり、劣化のため品質は安定しません。しかし、最近ではミルでの精製もおこなわれるようになっており、SCAA基準のカッピングで90点をつける例もあるようです。こうした高品質のイエメン産コーヒーはニュークロップの場合に限るようですので、ニュークロップでの入手が可能であれば逸品に出会えるかもしれません。

 

フィリピン

フィリピンにコーヒ-が伝わったのは1740年、スペインの修道士がバタンガス州のリパーに植えたという説が有力です。その後全土に広がり、1828年スペイン政府は懸賞金制度を設け、ある農夫がリサール州のジャラジャラの土地をプランテーションに変え1000ペソの賞金を手にしました。これに触発された人々が後に続き1860年代に入るころには米国サンフランシスコ向け輸出。続いてヨーロッパにも輸出し1880年代には世界生産4位にまで成長しました。しかし1889年さび病が発生し、その他の病害虫も重なり50年ほどはコーヒー受難の時代が続きます。1950年代、フィリピン政府はコーヒー産業の復活のため動き出し、病害虫に強い品種の導入を重ね1963年頃には国内消費を賄えるほどには生産が回復しました。1975年ブラジルをひょう害が襲い大打撃を受けるとフィリピンは再びわずかに輸出国へと復活します。しかし、アラビカ種の生産は一進一退で、現在のフィリピンのコーヒー生産高は3.0万トン(2023年)第27位です。また日本での輸入順位は、25位以下となっており主要な生産国として流通してはいません。これは、主にロブスタ種の生産がほとんどのためです。フィリピンで特筆すべきは、マレーシアと並びリベリカ種の商用生産がおこなわれる数少ない国です。

タイ

タイのコーヒー生産は「1904年、イスラム教徒がメッカ巡礼の帰りに、インドネシアでロブスタ種の苗を手に入れ、タイ南部の土地に植えたという説が有力」(ジェームズ ホフマン『スペシャルティコーヒー大事典 2nd Edition 普及版』)です。1950年代にはイタリア移民がアラビカ種を持ち込み北部に植えたとの説が有力です。いずれにしろ、タイのコーヒー栽培は比較的日が浅く、本格的に栽培されるようになったのは1970年代に入ってからのことです。タイ北部はケシ(アヘン・ヘロインの原料)の有力産地として知られていましたが、タイ政府は1969年にロイヤルプロジェクトとして、ケシ栽培の撲滅プロジェクトを開始、代替栽培の有力な作物の一つとしてコーヒーが含まれていました。その後、形を変えながら断続的にプロジェクトは繰り返され、現在ではかつてのケシ畑の多くがコーヒー農園へと姿を変えています。タイのコーヒー生産は1.7万トンと世界34位(2023年)ですが、日本での輸入順位は24位以内には入ってきていません。アラビカ種は北部、ロブスタ種は南部で栽培されています。残念ながら、これまでトレーサビリティが不十分で、ミャンマーやラオスからの越境品もかなりの割合でみられたようです。しかし、北部のナーン県やチェンマイ県、チェンライ県ではゲイシャ種を含む良質のコーヒー豆の栽培が行われるようになってきており、近年COE(カップオブエクセレンス)も開催されるようになりました。

東ティモール

東ティモールは、コーヒーの歴史の上で非常に重要な地域です。東ティモールでのコーヒー栽培は1815年にポルトガルがブラジルからコーヒーの苗を持ち込んだことから始まりました。その後、19世紀半ばに主要な輸出産品となりましたが、1890年代の病害流行で壊滅的な打撃を受けました。この困難な時期にである1920年、アラビカ種とロブスタ種の自然交配種「ティモール・ハイブリッド」が発見され、病害に強い品種として東ティモールのコーヒー栽培を支えました。そればかりか、ティモール・ハイブリッドは旧宗主国であったポルトガルで1959年、カトゥーラ種と交配されカティモールが生まれました。カティモールは現在インドやインドシナ諸国や中央南アメリカ諸国、アフリカの一部で栽培されています。カティモール種とは別にコロンビア種やカスティージョ種、サルチモールなども一方の親はティモール・ハイブリットとなっています。
東ティモールのコーヒー生産高は0.9万トンで世界38位、日本での輸入順位は22~23位と一定の存在感をし増しています。少なくない数のスペシャルティーコーヒーが日本国内でも流通しています。

ミャンマー

ミャンマーのコーヒー生産高は0.8万トンと世界40位、日本での輸入順位は24位以内には入っていません。しかし、ミャンマーは近年注目されているコーヒー生産国です。品種は他のインドシナ諸国と同じカティモールが多いのですが、丁寧な精製や選別により良質なコーヒーが採れるようになってきています。「2014年からSCAの関連団体、コーヒー品質協会(CQI)が、ミャンマーの中小規模コーヒー農家が生産するコーヒーの品質向上を目指し支援を開始し、2016年3月にミャンマーで開催されたミャンマー産豆の品評会では、エントリーした60種のコーヒーのうち56種がSCAAの基準で80点以上を獲得するほど品質が著しく向上したことで、スペシャルティーコーヒーの産地として、世界中から近年注目を浴びている産地です。」(ダイイチデンシ https://baisenki.com/lineup/18805 より)とある通り、シャン州ではスペシャルティーコーヒーとして高品質なコーヒー豆が生産されており、少なくない銘柄が我が国にも輸入されています。

当店で購入可能なインドネシア銘柄
38: ミャンマー シャン州 カロー タウンミンジー ナチュラル 生豆時200g

※参考文献 ジェームス・ホフマン著 丸山健太郎監修『スペシャルティコーヒー大事典 2nd Edition 普及版』(日経ナショナル ジオグラフィック)、堀口俊英著『スペシャルティコーヒーのテイスティング』(旭屋出版)、全日本コーヒー協会『調査資料』(調査データ | 全日本コーヒー協会)、GLOBAL NOTE®『世界のコーヒー豆 生産量 国別ランキング・推移』(世界のコーヒー豆 生産量 国別ランキング・推移 - GLOBAL NOTE)

※世界三大コーヒー ジャマイカ ブルーマウンテン、ハワイ コナ、タンザニア キリマンジャロ

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